橋本純『百鬼夢幻 河鍋暁斎 妖怪日誌』/『TH No.62 特集大正耽美』

縁により頂戴した橋本純氏著『百鬼夢幻 〜河鍋暁斎 妖怪日誌』(アトリエサード発行 書苑新社発売)を拝読す。
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幕末〜明治の天才絵師河鍋暁斎(ex狂斎)を主人公とした異色の妖怪幻視譚。これは凄く面白い! 暁斎のみならず仮名垣魯文 月岡芳年 暁斎の異人弟子ジョサイア・コンデルなど史実上の人物たちが河童 化け狐 亡者 貉 龍 鬼 天井下がりの爺い等々の物ノ怪どもと交遊交歓、江戸から東京へと移りゆく大都の変転と盛衰をともに目撃する。幻想の放埓 憂愁と愉快。この想像力の賑わいは本当に楽しく、その一方で読後の余韻は嫋々として深甚。且つ又歴史や知識のみに衒学的に偏することなく、文章は平明至極でありながら達意の名調子、見習わねばと感嘆頻り。水木しげる京極夏彦以来続く妖怪人気の中それに囚われない固有嗜好の自由な佳さが活きている。90年代に他社で出された本の再刊との由、版元(アトリエサード)初の文芸プロパー書に選ばれるに相応しい傑作の蘇生は喜ばしく芽出度し。

暁斎妖怪絵

百鬼夢幻〜河鍋暁斎 妖怪日誌 (TH Literature Series)

百鬼夢幻〜河鍋暁斎 妖怪日誌 (TH Literature Series)


同じ方から続けていただいた『TH No.62 特集大正耽美』。
http://athird.cart.fc2.com/ca1/127/p-r-s/
こちらはまだ口絵をめくったのみなれどそれだけで絢爛横溢。先月帰省時に地元ヴィレッジヴァンガードで1冊買ってあるがうちに置いてきたので有難し。大正美術のみならず映画 演劇 世相 オカルト等々究明評論満載 関連書紹介も充実の模様。
KMさんありがとうございました!


…実は『百鬼夢幻』と同じアトリエサードより来月ウィリアム・H・ホジスン『幽霊海賊』(拙扼)刊行していただく予定、請フ御贔屓。





…ということで記念曲?紹介ジムノペディ「ウタカタ」(自前UP)。





























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