ミッキー・カーチス 守屋浩 山下敬二郎『檻の中の野郎たち』

5/8金 ラピュタ阿佐ヶ谷『檻の中の野郎たち』(1959東宝 川崎徹広)
http://www.laputa-jp.com/laputa/program/dancing_singing/sakuhin4.html#35
http://movie.walkerplus.com/mv26129/

これは「ある意味」凄いものを観た。ミッキー・カーチス(21) 守屋浩(21) 山下敬二郎(20) 3大ロカビリースター共演のスラップスティックミュージカルコメディー──とまとめられはするがミュージカルにはなりきらずコメディとしてもお粗末感横溢、というより主演3人のうちミッキーだけはどうにか見られる芝居してたが守屋 山下の素人(以下?)レベル演技はわずか1時間ちょっとの尺を観続けるのも辛いほど。後年(70〜80年代)沢山創られるアイドル映画のハシリのような作かもしれないが水準はそれらを遥かに下回りそう。【ハチャメチャ青春喜劇】との紹介だがむしろメチャメチャ? で終始爆笑ならぬ苦笑禁じえず。…がそんな酷評が許されないほどの歴史的価値があるのもたしかで、とにかく綺羅星のごとき出演陣の豪華さは圧倒的。敵役?に『アワモリ君』コンビ坂本九 ジェリー藤尾、主演3人の少年院同僚に水原弘(24) 田辺昭知(21) かまやつひろし(21)、ワル仲間に石川進 佐野修、歌番組出演者役にザ・ピーナッツ 森山加代子。が唄うのはピーナッツと森山と坂本(ほんの一瞬だが)だけで水原 藤尾 石川 佐野らは歌一切なし、田辺とかまやつに至っては出番短いし科白もろくにないしおまけに同じ服着た大勢の中なので目を凝らさないと判別も困難(尤も若い観客は田辺やかまやつは最初から意識外だろうが)。しかも主役3人もラストにワンコーラスするだけでソロなどないに等しいから折角顔揃えた意味すら怪しい有様。守屋は60年代中期テレビで沢山唄ってたので特長ある声や姿が鮮明に印象あるが、ミッキーと山下はロカビリーブーム以後テレビにほとんど出てないので当時はどんな声で唄うのかさえ知らなかった(今でもよく知らない、後年懐メロ番組で1、2度聴いただけだから)。とくに山下は顔さえ全く知らなかったし存在自体あやふやだった、ミッキーはごくたまに見かけたしハーフという特徴があるからどうにか認識してたが。…というわけで物心つく直前にブーム去っていたロカビリー歌謡の一端でも堪能できるかと期待してただけに残念を否めず。山下の実父 柳家金語楼 数分間ながら親子共演(但し絡みなし)。上のスチール ↑ 下段 守屋 山下、中段左端 水原 右端ミッキー、中央部の3人は不詳(林洋介 関口良信 城操という名前がクレジットにあるがともに不明)、田辺 かまやつはこの中にはいない。