池部良『乾いた花』

6/10水 ラピュタ阿佐ヶ谷『乾いた花』(1964松竹 篠田正浩)
http://www.laputa-jp.com/laputa/program/ikeberyo/sakuhin2.html#16
http://movie.walkerplus.com/mv20975/

加賀まりこ 池部良。個人的にはこれは全く否定的。何よりも台詞がリアルじゃなさ過ぎる。いやリアルならいいとか言うわけじゃなく、とにかく登場人物たちの言葉・会話が映画の中でことごとく活きたものになっていない。賭場のシーンなど反社会的雰囲気が当時問題になったらしいが、一番肝心なはずの台詞の質がこれだけひどくてはそんな映像の凄みも吹き飛んでしまう。池部はじめ宮口精二 東野英治郎ら練達の名優を配しながらこれというのは何とも理解に苦しむ。海外で異常に高評価のようだが無理もない、字幕でしか観られていないんだから。同じ池部良主演の『暗夜行路』はこれより遥かに小難しい文学的な言い回しが多用されていたにも拘らずこれより遥かに活き活きと躍動する台詞になって映画に命を与えていた。つまり単に脚本がどうこうというより結局は演出の巧拙かあるいは方向性の差か──あるいはそれら全てをひっくるめた映画総体の在り様の問題かもしれない。何にせよこの種の芸術性志向めかした映画は──当時はそういうものが受けてATGなどの成功に繋がったんだろうが──どうにも自分の肌に合わないとあらためて思い知った。これまで観た池部良主演作の中では最下位。





























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