菊地秀行『クトゥルー短編集 邪神金融街』/トークライブ「ザ・忘年怪2017」

12/8金 深夜のトークライブ「ザ・忘年怪」に備え未入手だった菊地秀行クトゥルー短編集 邪神金融街』(2017/8 創土社CMF)紀伊國屋本店にて買い即読。
http://www.soudosha.jp/Cthulhu/kinyugai.html

巻頭 著者自撮プロヴィデンスカラー写真がいきなり目を惹き。小説は5篇。「サラ金から参りました」は『異形コレクション12 GOD』所収作で 当CMFでの長篇『邪神金融道』(既読)で活躍するCDW金融社初登場作。人を食った設定&コミカル味乍らCMファンの肝を衝く展開。「出づるもの」は嘗て同人誌『恐怖省』初出(この点については感慨あるがまた別機に)。CM一語も謳わずにも拘らずその道の核心剔抉の歴史的傑作。この2作の雰囲気落差がこの作家の天才振れ幅象徴の感(ブライアン・ラムレイにおけるタイタス・クロウと「大いなるC」併存と同種?)。「切腹」は『異形コレクション綺賓館4 人魚の血』収録のインスマウス(※作者はこの表記を好む由)系時代物で謎解き趣味との連関鮮やか。再録に際し修正あるそうで要確認。「怪獣都市」は『怪獣文藝』発表作を本書用変奏した映画界背景物で捻りある哀愁が切々。「賭博場の紳士」のみ書き下ろしで何とCDW金融の由来を語りシリーズ化確立の意図明確(既に次作『邪神漫遊記』予定)。他にノンフィクション「ラヴクラフト故地巡礼」「ラヴクラフト・オン・スクリーン」も編入。前者は『宇宙船』連載作の貴重な集成(かすかな既視感は『別冊幻想文学 ラヴクラフト・シンドローム』での「夕ばえの街―ラヴクラフト旅行記」の記憶ゆえか)。1度のみ名前出る「阿部正記」氏は嘗ての黒魔団重鎮の人。後者は『季刊幻想文学』発表時既読も先見的CM映画紹介記の感改めて(『怪奇映画の手帖』にも収録)。作者のCM系基盤作一堂に会し慶賀万感。

クトゥルー短編集 邪神金融街 (クトゥルー・ミュトス・ファイルズ)

クトゥルー短編集 邪神金融街 (クトゥルー・ミュトス・ファイルズ)





…というわけでその余勢?駆り同日オールナイトトークライブ「ザ・忘年怪」(於新宿ロフトプラスワン)参内。
http://www.loft-prj.co.jp/schedule/plusone/78600
昨年(http://d.hatena.ne.jp/domperimottekoi/20170129/1485688116)に続き2度目。参加者大幅増加の観。何と言ってもコスコンが格段の大盛り上がり! 菊地秀行世界熱烈ファンの皆さんの半端ない凝り様&アイデアには頭下がるのみで あわよくばエントリを…などと夢想した己の甘さ恥じ入り。正統派の方たち奮闘健闘する中で大賞を攫ったのが何とアレとは…反則技も芸の内のプロレス界も顔負け奇襲作戦勝利お見事。他 恒例映画進捗報告始め笹川吉晴さんとの軽妙進行。お楽しみプレゼントコーナーでは全員当選配慮の大盤振る舞い。当方書籍2点頂戴しラッキー! 来場のTHORES柴本さん装画の佐野しなの氏著『刑事と怪物─ヴィクトリア朝エンブリオ─』と菊地さんの『宿場鬼 妖剣乱舞』。ありがとうございました! また上述『邪神金融街』にはサイン頂き。


終演後お茶席に交ぜてもらい笹川吉晴さん角銅博之さん深泰勉さん槻城ゆう子さんより貴重なお話伺う栄。

忘年怪愉し再会祈念&よいお年を!































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