市川崑『わたしの凡てを』

6/11木 ラピュタ阿佐ヶ谷『わたしの凡てを』(1954東宝 市川崑)
http://www.laputa-jp.com/laputa/program/ikeberyo/sakuhin2.html#17
http://movie.walkerplus.com/mv23826/

↑伊東絹子 有馬稲子 池部良。事前情報一切遮断で観たらこれほど展開の読めない話もない。国際派モデル伊東のデビュー作として企画されたらしいがそれのみにとどまらない数多のユニークさに満ちた傑作。前日の『乾いた花』がひど過ぎた反動というわけじゃなく、演出は勿論のこと台詞の素晴らしさにはほんとに感心頻り。市川作品には珍しく脚本和田夏十じゃないがその代わり監督自身が加筆しているのが利いてるとおぼしい。コメディでもないのに何度も笑いが起こっていたがあまりに鋭くツボを衝いた台詞や展開は自然と笑いを誘うもの(個人的には映画で笑うのは好きじゃないが今回はクスクスせざるを得ず)。ダブルヒロイン有馬稲子が気風のよ過ぎる浪花っ子女社長を超好演、杵柄の日本舞踊も魅せる。伊東は映画界に深入りせず退いたようで惜しい。有馬特集時にも上映されたようだが埋もれさせておくのは勿体ない逸品。


























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