槻城ゆう子『通りすがりの怪事件』

槻城ゆう子『通りすがりの怪事件』(発行ホーム社 発売集英社2016/4月刊)
http://books.shueisha.co.jp/CGI/search/syousai_put.cgi?isbn_cd=978-4-8342-3244-8
菊地秀行トークライブ↓で購入したオカルト系コミック。
http://d.hatena.ne.jp/domperimottekoi/20160514/1463222261

【転校先は出逢いがいっぱい!? 目に見えない高次の存在を敏感に“感じる”女子高生・紫津宮由葵。そんな由葵が出逢ったのは、“やや鈍感な”神職の美青年・小野大介。転校する先々で起こる様々な怪異! 否応なしに不可思議な事件に巻き込まれる由葵のため小野は癒しの祝詞を紡ぐ──。ファンタジーゲーム界の超人気イラストレーターが描く本格神事系ゆるコワ・ラブコメディー!!】

傑作! この〈本格神事系ゆるコワ・ラブコメディー〉というコピーがまさにピッタリ。奇妙な出来事が超常的に解かれていき恐ろしいものも出てくるが人が殺されたり等の行き過ぎたことまでは起こらない。と言って〈日常の謎〉でもない、これぞ〈通りすがりの怪事件〉。雰囲気を心得た画と相俟って惹かれるのがオカルトの知識を大上段に振りかざさず優しく語りかけるように説き明かすところ。だからペダントリ―に威圧されたりすることもなくすーっと入っていける。その行き方を象徴するのが探偵役の美形教師小野大介。しゅっとしてカッコいいけど決して才や知や美を鼻にかけず訥々淡々としているところが大いに好感。また主人公の女の子紫津宮由葵(しづみやゆき)も霊的な力があるらしいがそれに深入りし過ぎずのほほんとしている。そんな由葵が転校するたび小野先生も転任している(わざとでなく)という設定が何とも不思議可笑しい。このちょっと昏め同士のコンビがある種和風モルダー&スカリー?で絶妙。これは素敵な世界観だ! まだ連載はつづているんだろうか、あとがきによれば続篇の意向ありとのことで期待──次は由葵にしょっちゅう転校強いる謎めいた父親にも登場してほしい、あとやはりCthulhu系も。巻末に作者の師匠 永野護の辛辣で微笑ましいコメント&画あり。

↓イラスト付きサインほんとに貴重。

通りすがりの怪事件 (集英社ホームコミックス)

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通りすがりの怪事件 (マーガレットコミックスDIGITAL)

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