『風狂通信Vol.1』『Vol.2』

風狂通信Vol.1』(2015/8月再版)『風狂通信Vol.2』(2015/8月初版)風狂殺人倶楽部 発行

創刊号と目される『Vol.1』の「巻頭言」(関原遼平)によれば「〈風狂〉という言葉の二義性(風雅と狂気)と〈殺人〉という語をモチーフにして緩やかに統一され」つつも「雑多」にして「刺激的な〈場〉となること」を狙いとする「オールドスタイルの同人誌」の由。それはまさに「〈クライム・クラブ〉全作レビュー」(関原遼平)というミステリ書誌の労作から「逢隈寧子のグミラー修行道」(逢隈寧子=おおくまねこ)なるグミ(食べ物の)偏愛を巡る連載に至るまでの多彩さに如実。他にミステリ映画論 音楽論 ミステリ評論 創作短篇 等があるが個人的注目は関原遼平「アイドルたちは九〇年代の夢を見るか」。現代アイドルグループのプロデューサーたちの出自と流れを紹介 勉強になる。
『Vol.2』は「特集・お笑いとミステリ」。その標榜に違わぬ特集テーマの極めぶりが凄い。お笑いネタのユニット別レビュー/同人メンバーによるミステリ目線お笑い鼎談/落語ミステリ競作(3作ともオチ秀逸)等がありとくに関原遼平によるお笑いタレントの創作ジャンル小説紹介が参考になる(鳥居みゆきのとか食指)。また今号でも関原「巻頭言」の『笑っていいとも!』最終回談が熱い。特集以外にも評論 連載等あり。



























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