井上真偽『その可能性はすでに考えた』/白井智之『東京結合人間』

『2016本格ミステリ・ベスト10』海外物で気になった2作をあげたが↓…
http://d.hatena.ne.jp/domperimottekoi/20151212/1449935125
国内物は井上真偽『その可能性はすでに考えた』(講談社ノベルス) 白井智之『東京結合人間』(KADOKAWA)。

ともにやはりまずタイトルに惹かれ。が読んでみると…どちらも「何なんだこれは!」なお話。こういう作が普通に世に出回ってはバカミスなんて言葉すらとうに死語化するのも無理なしか。奇蹟を証明する探偵(『可能性…』、嘘をつけない人間のいる状況での謎解き(『結合…』)、と両者とも特殊条件下での本格ミステリのように見せかけていながら、実体はとんでもない異形の世界観開陳にこそ眼目があるのでは? 『可能性…』では冷血無比な肉削ぎ拷問も辞さない美女金貸しフーリンにばかり萌えて仕方なかったし、『結合…』では手足4つずつで身長三メートルの結合人間がなかなか脳内画像結ばず冷や汗(ディック『空間亀裂』の頭1つ体2つの双子を遥か上回る)。いや勿論そんな厭な汗をかかせるところこそが面白いのだこの2作は!

…しかしここまで来ると最早マイケル・スレイドなんて影が薄くなるのもやむなく




























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