陳浩基『13・67』/島田荘司 陳浩基トーク (備忘)

3/9金 発作的トーク潜入の前にこれまた中途のままだった『13・67』(Kindle版)急遽読了。
http://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163907154
心底驚愕! この連作集に込められたアイデアについては既に数多語られているだろうから省くが兎に角この新型警察ミステリー叙事詩の内実の分厚さには降参の一語。『相棒』の世界観への連想を言う向きもありたしかにそう思わせなくもないが個人的には寧ろ(またも我田引水癖乍ら)マイケル・スレイドの騎馬警察物を念頭にせずにはいられず──過剰な社会史性と言い物語の転覆度と言い。また連作としての円環構造が孕む詩性の高さも驚くべきものでこれを読んで何程もなしと宣う冷笑読者には憐憫あるのみ。

13・67 (文春e-book)

13・67 (文春e-book)



島田荘司 陳浩基トーク本格ミステリを語る」於 文藝春秋西館地下ホール…
https://twitter.com/toho_jimbocho/status/971320446875570176
https://peatix.com/event/357917
…も既にレポート多数でヴァン・ダイン未読や『獄門島』愛好等の話題は周知と思われるが個人的にはやはり陳氏の人間性の善さと島田氏の影響の強さ&プロデューサーとしての器の大きさが印象濃く。本格ミステリーに関し本邦とは比較にならない限られた環境の中でこれだけのものを書くことの凄さは想像を絶するほどで氏の意外なまでの謙虚さも自身を囲むそうした状況への思いと無縁ではない筈。その意味で『13・67』はただ作品自体にとどまらずその周縁をも含めて多くの示唆を提示しているように。

因みに陳氏が「こういう作品を書きたいと思った」と言う島田氏の中篇「ヘルター・スケルター」(2005刊行『エデンの命題』所収)関心湧きこの際初読(Kindle版) なるほどこれが島田氏唱える〈21世紀本格〉かと今更に感嘆…

エデンの命題 (光文社文庫)

エデンの命題 (光文社文庫)

他 陳氏紹介の注目華文ミステリー(のみならずジャンル作全般)数作メモしたが紙逸失orz がいずれSNS等で話題と…
































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